撮影への想い
子供が産まれた日のことは今でも鮮明に覚えています
厳しい寒気に覆われたあの日、息子が産声をあげたのは夜もかなり更けた時間でした。息子と初対面を果たした私は妻に感謝とねぎらいの言葉を掛けた後、犬の世話があったので病院を跡にし帰宅する事にしました。帰り道、手足の先が凍えるくらい外気は冷たいのに、なぜか私の心はぽかぽかとしていました。これが家族を持つことの温もりと知りました
それから数年が経ち息子が2歳になる少し前、息子の世話をよくしてくれる義父が倒れ緊急入院しました。元々義父は心臓に持病があり、いつその時が来てもおかしくない身体でした。妻と息子と三人で義父の入院する病院へタクシーで向かいました。幸いその時は大事に至らず、義父も私たちが病院に着いた時には意識も回復し、私達の顔を見て笑顔を向けてくれました。息子は義父を見つけると嬉しくなり走って義父の元へ行きました。そして手のひらに握っていた石を義父に渡したのです
当時息子は石が大好きで、外に出ると必ずと言っていい程、石を拾い私達に見せ嬉しそうにしてました。自分が大好きな物だから祖父も好きだろうと思ったに違いありません。その石はタクシーに乗る前に息子が祖父に渡す為に拾っているはずなので、車中で息子が小さな手で石をずっと握りしめていたと思うと、その優しさが泣けてきて愛おしい気持ちになりました。貰った義父もとても嬉しそうで、目には少し涙を浮かべていました
写真は温もりや愛おしさ、想い出を具現化してくれると私は思っています。皆様の愛しさや想い出を残すお手伝いが出来たら嬉しいです
更新日 2024年11月4日